植木鉢で咲かせたい、冬の花20選!色どり豊かな草花たち

どんどん華やかになる冬の花

落葉樹が葉を落とし、宿根草が地上から姿を消して、しばしの眠りにつく冬。
春から咲き続けてくれた花や可憐な秋の花たちと入れ替わるように、寒さが厳しくなるほど色鮮やかになってくれる冬の花たちが冬枯れの庭に賑わいをもたらしてくれます。
この記事では、冬に咲く花の中でも、とくに植木鉢で楽しみたいおすすめの花をご紹介するとともに、冬の花たちにぴったりな植木鉢をご紹介します。

冬の花とは

花の種類は少ないけれど、バリエーション豊か

冬は植物たちもゆっくり生長するので、暖かくなるまで長く楽しむことができる花がたくさんあります。
冬は春に比べて花の種類は少ないかもしれませんが、バリエーションがとにかく豊富。
パンジーやビオラ、ハボタン、クリスマスローズといった屋外の植物も、シクラメンやシャコバサボテンなどの室内で楽しめる花たちも、色や大きさ、咲き方は実にさまざまで、目移りするほど豊かな表情をしています。

冬の花を選ぶポイントは

マッチングが楽しみ

花の少ない冬から早春に可憐な花を咲かせてくれるクリスマスローズの登場で、冬の庭は本当に華やかになりました。この花の魅力は、和風の庭でも洋風の庭にもマッチする、存在感がありながらもちょっと控えめな美しさ。近くにナンテンの赤い実があっても、ボロニアやエリカといった洋風な木があってもすーっと受け入れて素敵な景色に変えてくれます。
冬は植物の生長がゆっくりなので、寄せ植えに最も適する季節です。ほかの季節と違ってたくさんの植物を植え込むことができるので、植えたときから寂しい感じにならず、水やりといった日々の管理も比較的ゆっくりなので、初めて寄せ植えをつくる方のスタートの時期としても最適です。
コニファーやマホニアの根元を赤いパンジーやバラのように美しいミニハボタンで飾ったり、ダスティーミラーやシロタエギク、シルバーフォール(ディコンドラ)といったシルバーリーフとブルーや白のビオラを組み合わせたり、今年はどんな組み合わせを発見できるのか、花を買いに出かけるのがとても楽しみです。

おすすめの花

1.パンジー・ビオラ

花の特徴

花の少ない冬の時期を鮮やかに飾る、冬のガーデンにはなくてはならない花で、晩秋から春まで大活躍します。一番の魅力はバリエーションの豊富さと花期の長さ。どんな植物にも合わせやすく、秋植えの球根をしのばせておけば、春にもう一つ楽しみが増えます。ビオラの方が小輪多花。

植木鉢で育てるときのポイント

寄せ植えやハンギングでは、色の違ったものを一株づつ植えるよりも、同じものを何株かまとめて植え込む方が持ち味が発揮されます。花がらをつまないと徒長します。タネをつけると花の寿命もつきてしまうので、花がらはこまめに摘み取りましょう。

花期:11月~5月

2.ハボタン

花の特徴

キャベツの近親種で、江戸時代に食用として入ってきたケールを日本で観賞用に改良したのがはじまりです。冬の花壇や正月飾りとして昔から親しまれてきましたが、最近はバラを彷彿とさせる小型で色鮮やかな品種がどんどん生み出されています。手間いらずで春までほとんど姿が変わらないので、寄せ植えにもっともおすすめしたい植物の一つです。

植木鉢で育てるときのポイント

少ない土でも育つので、ハンギングや寄せ植えではぎっしりと植え込むほうがきれいです。

観賞:11月~3月

寄せ植えのアイデアをご紹介している記事はこちら

3.クリスマスローズ

花の特徴

花の少ない時期に優雅な花を咲かせてくれる、冬枯れの庭の救世主です。真冬から早春まで美しい花を咲かせ、一株あるだけで庭にナチュラルな風景を作ってくれます。シックな色合いの早咲き種がニゲル系、一重咲きからフリルのあるバラのように豪華なものまでバリエーションが豊富な春咲きの系統がオリエンタリス系です。北向きのシェードガーデンでも栽培できます。

植木鉢で育てるときのポイント

草勢が衰えるとよい花が咲かなくなるので、よほど増えすぎるとき以外は植え替えはしないようにしましょう。
詳しい育て方はこちら

ニゲル系
オリエンタリス系

 花期:
 花期:

12月~2月
2月~4月

4.シクラメン

花の特徴

「冬の鉢花の女王」といわれる真冬を彩る鉢花の代表格で、冬から春を彩る花です。花もかわいいですが、葉にも表情があってバランスがとてもきれいです。バイカラーやフリル、クリーム色のものまで、より華やかで目新しい品種が生まれています。寒さに強い小型品種は、ガーデンシクラメンとして寄せ植えでも人気です。

植木鉢で育てるときのポイント

傷んだ葉や終わりかけた花を引き抜く作業と、大きくなった中央の葉を外に持っていき、中心部の小さなつぼみに光を当てる「葉組み」作業、この2つの作業をマスターしましょう。

花期:11月~4月

5.プリムラ・ポリアンサ、プリムラ・ジュリアン

花の特徴

日本原産のサクラソウに対して、外国原産のものを一般的にプリムラと呼びます。プリムラの中でもとくにコンテナ向きの品種がポリアンサとジュリアンです。とてもカラフルでコンパクトに育つので寄せ植えにも利用しやすく、体のわりに大きめの花は、雪に埋もれても元気に咲き続きます。ジュリアンは日本で作られたミニサイズのポリアンサ。こちらの方がバリエーションが豊富です。

植木鉢で育てるときのポイント

株元にしっかり光を当てます。次の花のために、見ごろを過ぎた花は花がらをこまめに取り除きましょう。

花期:12月~4月

6.スイセン

花の特徴

緑の少ない1月から咲きはじめる貴重な花です。垂直に伸びる草姿は花の咲いていない時期もとてもきれい。ニホンスイセンのように香りの強い品種は、見た目だけでなく、香りでも楽しませてくれるので、冬の庭で強く印象に残ります。スイセンは寂しがりや。まとめ植えすると元気に育ちます。混みあってくるまで植え替えも不要なので、植えっぱなしで育てられます。

植木鉢で育てるときのポイント

コンテナは同じ品種ごとにまとめて植えるときれいです。根が深く入るので、深鉢に植えてあげましょう。

花期:12月~4月

7.スイートアリッサム

花の特徴

甘い香りの小花が集まってポンポンと咲く、冬の寄せ植えには欠かせない花です。マイナス5度になる寒冷地でも元気に咲き続け、どんどん増えていきます。本来は多年草ですが、日本では一年草扱い。放任してもこんもりまとまるので、高さのある花の根元を隠すにはぴったりです。パンジーとも相性も抜群。白、ピンク、濃赤、オレンジと花色も豊富なので、メインの花によって使い分けができます。

植木鉢で育てるときのポイント

花軸を1/3残してカットして明るい日陰で管理すれば夏越しすることもできますが、アオムシやアブラムシがつきやすいので、一年草として扱った方がよさそうです。

花期:12月~6月

8.サイネリア(シネラリア)

花の特徴

大きな葉に、濃淡のある美しい花が次々に上がる室内向きの植物です。花色は黄色以外がすべてあるほど豊富。ボリューム感があり、室内用の草花としては価格も控えめなので取り入れやすく、シクラメンなどと並べると、とても豪華で華やかです。花は玄関など15℃以上にならない場所で育てると長く楽しめます。

植木鉢で育てるときのポイント

ひと通り花が咲き終えたら、花茎を根元からカットしてうすい液肥を与えれば、二番花も楽しめます。

花期:11月~5月

9.ローズマリー

花の特徴

若返りのハーブとよばれ、うっとりするような芳香でとても人気があります。寒さにも強い樹木で、最盛期には小花がこぼれんばかりに咲くので鉢植えにしても楽しむことができます。直立性のものとほふく性のものがあり、花は定番の紫をはじめ、ピンク、白があります。

植木鉢で育てるときのポイント

挿し木や取り木も簡単です。ほふく性のものは土を入れた植木鉢を横に置いて、誘引した枝を2か月程度ピンや石でとめておくだけで苗取できます。

花期:11月~5月

10.エリカ

花の特徴

英語のヒース、ドイツ語のハイテともに”荒野”という意味で、北大西洋沿岸の荒野に多く自生しています。赤系の花のほか白、黄、緑のものがあり、花は小花ですがびっしりと咲いて豪華です。葉の質感も釣鐘型やつぼ型の小さな花も乾いた質感で、ほかの植物にないおしゃれな雰囲気。ある程度放任しても樹形はまとまるので、寄せ植えの背景にしてもきれいです。

植木鉢で育てるときのポイント

原産地で性質が異なります。9割を占めるアフリカ産は寒さに弱く、厳寒期は室内管理向き、古くから栽培されているジャノメエリカは寒さに強く、暖地では庭植えも可能です

花期:10月~4月

11.カルーナ

花の特徴

エリカの近親種で、西欧ではともにヒースとよばれています。同じツツジ科の植物なので性格は似ていますが、エリカよりも花弁が小さく、ガク部分が赤や黄色に色づいて、まるで小さな粒をまとったコニファーのようです。ガーデンシクラメンやプリムラポリアンサの空間を埋めるにはぴったり。寄せ植えに活躍する低木です。

植木鉢で育てるときのポイント

乾燥には弱い植物なので、エリカ同様、乾かさないように管理しましょう。葉がしおれないのでわかりにくいですが、用土の乾き具合を見てたっぷり与えます。

花期:6月~12月頃

12.ユーフォルビア

花の特徴

ユーフォルビア属は2000種以上の大きな属で、多肉植物から高木までさまざまな姿をしています。いずれも個性的で、場所や目的によって使い分けができます。コキコキとした細い茎に線香花火のような花を咲かせる”ダイヤモンド・フロスト”は冬の寄せ植えの定番ですが、耐寒性がないのでパンジーなどとの寄せ植えでは置き場所などには注意が必要です。

植木鉢で育てるときのポイント

半日陰でも育ちます。高温多湿には弱いので、水やりは控えめにして、乾燥気味に育てましょう。

花期:10月~1月

13.オキザリス

花の特徴

よく道端に咲いている黄色い花のカタバミと同じ仲間で、南米や南アフリカ原産の球根性のものをオキザリスと呼んでいます。葉が四つ葉のクローバーに似ていることから英語でグットラックリーフとよばれることもあります。平鉢からこぼれんばかりに咲かせても綺麗。開花期間が長く、葉もきれいな夏植え球根です。

植木鉢で育てるときのポイント

密植気味に植えた方がきれいですが、よく増えるので10cm位は間隔をあけて植えつけます。日が陰ると花も葉も閉じます。日当たりのよい場所で育てましょう。

花期:10月~4月

14.カランコエ

花の特徴

多肉植物のカランコエ属のうち、花に観賞価値のあるものが冬の室内グリーンとして出回っています。赤、黄、オレンジなど鮮やかな花色の小型種が多いので、ちょっとしたスペースで楽しむことができます。エンゼルランプのようにハンギング向きの品種もあります。花を咲かせるには10℃以上が必要です。

植木鉢で育てるときのポイント

典型的な短日植物で、日照時間が12時間以下になる日が一ヶ月以上続くと花芽をつけ、その後三ヶ月ほど花が楽しめます。照明がいつも当たる場所では、花がつきにくいので注意します。

花期:11月~5月

15.シャコバサボテン

花の特徴

サボテン科の多肉植物で、クリスマス前後には満開の豪華な花姿を見ることができます。多くの品種があり、透明感のあるキラキラとした花はとても鮮やかで、一鉢あるだけで室内がぱっと明るくなります。ストーブや暖房の風が当たる場所は避け、急速な温度変化には注意します。夜間明るいと花芽がつかないので注意しましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

花がらはこまめに摘み取ります。冬越しした株は葉の長さがまちまちになって形が乱れます。株全体が丸くなるように手で葉を折り取って形を整えます。

花期:10月~12月

16.ユリオプスデージー

花の特徴

深い切れ込みの入った葉と鮮やかな黄色い花のコントラストが美しい花で、厳寒期の花の少ない時期の鉢花として貴重な存在です。新芽が伸びるごとに繰り返し摘心すると、横広がりのこんもりした株になります。

植木鉢で育てるときのポイント

寒さにはあまり強くありませんが、霜に当たらないのであればなるべく屋外に出して日光浴させたほうが花色が濃く、しっかりとした株になります。

花期:11月~4月

17.セントポーリア

花の特徴

フェルトのような葉と光でキラキラと輝く可愛らしい花をつける室内用の植物です。原産地では石灰岩の割れ目に積もったわずかな土に根を張っているので、小さな植木鉢でも育てられ、場所を取らずに花を楽しむことができます。15~25℃の温度さえあれば一年じゅう花を咲かせます。乱獲されたことで今や野生のものはほとんど見られなくなってしまいました。

植木鉢で育てるときのポイント

過湿にも乾燥にも弱く、日差しが強すぎると葉焼けし、不足すると徒長する、水加減や日照が難しい花です。

花期:環境によって、一年じゅう

18.シンビジウム

花の特徴

冬の贈り物の定番で、淡い色の厚みのある花をたくさん咲かせボリューム満点です。寒さに強く、花軸もしっかりしているので、育てやすい洋ランの代表格。根がまっすぐ伸びるので高さのある鉢がおすすめです。2~3年を目安に植え替えます。

植木鉢で育てるときのポイント

枯れることはめったにありませんが、葉ばかりが茂って花が咲かないことが多いようです。9月に一本の茎の花芽を3芽以下にし、ほかの芽は刈り取る「芽かき」をして養分を集中させましょう。

花期:11月~3月

19.ポインセチア

花の特徴

色の組み合わせから”クリスマスフラワー”ともよばれ、シクラメンとともに室内に飾る冬の植物として定番です。観賞するのは花でなく苞とよばれる葉。野生種は軽い霜に当たっても枯れないぐらいの耐寒性がありますが、園芸品種は寒さに弱いので、最低温度10℃以上が必要です。一年草として扱われることが多い植物ですが本来は低木です。

植木鉢で育てるときのポイント

過湿を嫌うので、乾燥気味に管理します。水をあげてもしおれる場合は寒さです。もう少し暖かい場所へ移動してあげましょう。

花期:11月~3月

20.ツバキ

花の特徴

日本を代表する冬の花で、濃い緑の葉と美しい花とのコントラストがとても美しい花木です。しっとりとした佇まいと、ほろりと落ちる花は「はかない」と表現されますが、花は新しい枝先近くに咲くので、次第にたくさん見られるようになります。北側の半日陰の場所でも十分育ちますが、日当たりが良いほうが花は咲きやすいです。

植木鉢で育てるときのポイント

なにより水はけが大切です。秋以降に枝先を切ると花芽を失うので、徒長枝をカットするくらいにとどめます。

花期:10月~4月

冬らしい植木鉢とは

この冬は寄せ植えに挑戦しませんか?
初めての寄せ植えには8号鉢(口径24㎝)がおすすめです。こんもり仕上げたいときは口径と深さが同じ長さの普通鉢や高さの低い浅鉢、低木を加えて寄せ植えを作るときは、ワンサイズ上の10号鉢(口径30㎝)で深鉢を利用すると、見栄えの良い寄せ植えができます。
花木や樹木とパンジーなどの一年草を組み合わせておけば、春に一年草が枯れても、その部分だけを新しい花に変えて楽しむこともできます。
寒冷地では、高温で焼かれた陶器鉢がおすすめ。しっかりと焼しめられているので、水が凍ることで膨張して鉢が割れてしまう「凍て割れ」の心配もありません。

「寄せ植えをつくるポイント」をこちらの記事で分かりやすくご紹介しています

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