植木鉢で育てたい、秋の花10選!しっとりとした空気を吹き込む草花たち

秋を演出する素敵な花たち

暑い夏に咲き誇った植物たちも役割を終え、ガーデンは少しずつ冬に向かっていきます。
この記事では、秋に咲く花の中でも、とくに植木鉢で楽しみたいおすすめの花をご紹介するとともに、秋の花たちにぴったりな植木鉢をご紹介します。

秋の花とは

秋の花は春の花より小さいけれど、色が美しい

暑い夏を乗り切ったランタナやマリーゴールドたちがふっと息を吹き返したように咲くなか、ガーデンには淡いピンク~赤紫~青、そして白といった、ひっそりとしたシックな花たちがポツンポツンと咲き始め、ぐっと大人の雰囲気になっていきます。
秋の花は春や夏のような派手さはありませんが、野の風情をもつ情緒豊かな花がとても多く、小花を無数につける花も、一つ一つの花はとても整った美しい形をしているので見ていても飽きません。
涼しい風に運ばれてキンモクセイの香りに包まれる頃には、一層秋が深まっていきます。

秋の花を選ぶポイントは

グラスを加えて、風を感じる寄せ植えを

気温が下がり、寄せ植えも楽しめる季節になりました。しっとりとしたカラーの花が多いので、そんな花たちにシマススキやカレックスなどのグラスを加えると、秋の風を感じる素敵な寄せ植えになります。
秋の七草(ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、クズ、フジバカマ、オミナエシ)を加えて野原のような組み合わせを楽しんだり、9月から10月が植えつけの適期であるツバキやキンモクセイ、センリョウやナンテンなどの根元に秋の花をそっと咲かせるなど、いろいろな楽しみ方ができます。秋は大きさもコントロールしやすいので、生け花のような素敵な寄せ植えにチャレンジできますね。

おすすめの花

1.ランタナ

 

花の特徴

花色が黄色、オレンジ、ピンク、赤、白と変化することから”七変化”ともよばれています。小さなてまり状の花を次々に咲かせ、性質は強健そのもの。グラデーションがきれいで、草全体に香りがあります。夏の間に枝を伸ばしぐんぐん大きくなり、秋に生育がゆっくりになると同時に発色もよくなっていきます。

植木鉢で育てるときのポイント

生長が早いので株が乱れやすいです。花が終わった枝はつけ根近くで切り詰めると、草姿が乱れず長期間花が楽しめます。芽を出す勢いも強いので、多少切り過ぎても問題ありません。

花期:7月~11月

2.コスモス

花の特徴

秋桜と書くように、秋の風情を運んでくれる日本人好みの花です。もともとはメキシコの高原地に咲く野草で、風にゆれる姿が美しく、今では日本の秋の風物詩にもなっています。日当たりさえよければ咲くほど生育は旺盛で、風通しのよい場所に群植させたい花です。やせ地で乾燥気味の場所を好むので、手をかけない方がうまく育ちます。

植木鉢で育てるときのポイント

移植を嫌います。タネをまく場合は、春から初夏に直まきします。苗を植えつけるときは、根を崩さずに植えつけましょう。

コスモス花期:6月~11月

3.センニチコウ

花の特徴

花木のサルスベリ(百日紅)よりもっと長く花が楽しめることから、千日紅という名前がつきました。細い茎の先にまん丸に咲く花が可愛らしく、一株あるだけで花壇や寄せ植えに動きを出すことができます。暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質なので、分枝しながら高温多湿の夏も元気に咲き続けてくれます。

植木鉢で育てるときのポイント

水や肥料の吸い上げがいいので、鉢栽培では土を浅めに入れることも徒長させない方法のひとつです。

花期:7月~10月

4.ポットマム(洋菊)

花の特徴

落ち着いたカラーが中心の秋のガーデンに彩をそえてくれる花です。中国原産のキクをヨーロッパで品種改良した園芸品種で、大輪のポットマム、小輪のクッションマムなど色や形が多彩で、背たけも10~50㎝程度とあまり高くならないので、鉢植えや寄せ植えにとても重宝です。和風なイメージにとらわれずに使える花です。

植木鉢で育てるときのポイント

キクは日照時間が不足すると花色があせたり、花が咲かなくなったりします。また、開花中の水切れは花が早く散る原因になりますので、こまめに水を与えましょう。

花期:9月~11月

5.バコバ(ステラ)

花の特徴

枝が垂れてくる常緑性の植物で、ほぼ一年中咲き続け、寄せ植えやハンギングには欠かせない花としてとても人気があります。株いっぱいに咲く小花が愛らしく、ほふく性なので刈り込みもできて、バランスを見ながら株の大きさを調整することができます。夏の強光線を避けて水切れさせないように育てると長く楽しめます。開花期間の長さ、花つきのよさで、コンテナ栽培ではとくにおすすめの花です。

植木鉢で育てるときのポイント

6~9月に切り戻しをすると風通しが良くなり、高温多湿の夏を乗り越えやすくなります。

花期:9月~6月

6.キキョウ

花の特徴

膨らんだつぼみが風船のようなので英名はバルーンフラワー。星形の花も美しく、古くからモチーフとして利用され、秋の七草として日本人にもなじみの花です。列植すると洋風の花壇にもよく合います。自生種はほぼ見られなくなりましたが、寒さに強く育てやすい品種がたくさん出ています。朝の間だけ日が当たるような、乾きすぎない場所を好みます。

植木鉢で育てるときのポイント

初夏に半分くらいの高さに切り戻すと二番花が楽しめます。

花期:6月~9月

7.リンドウ

花の特徴

秋を感じさせる静かな佇まいの花です。ピンクや白など花色はありますが、リンドウに特徴的な濃い青色は引き込まれるような美しさで、ススキなどと寄せ植えすると秋らしい一鉢になります。仲間は500種もあり、春咲きの品種もあります。難点はつぼみが咲かないまま茶色くなってしまうこと。花は晴れた日だけしか開花しないので日当たりよく管理し、水やりの時は花に水がかからないように注意すると、上手に咲かせることができます。

植木鉢で育てるときのポイント

4~5月に2節ほど残して切り戻すと、枝数が増えて丈が低く開花させることができます。

花期:8月~11月

8.ホトトギス

花の特徴

花に入った紫色のスポットをホトトギスの胸にある斑点に見立てて名がついた、名付け親に感心してしまう素敵な名前の植物です。ひっそりとした佇まいと6枚の花弁をもつ幾何学的な花が魅力。自生地は崖や山野の日陰なのでとても丈夫です。植木鉢で育てる場合も夏は根元に日が当たらないように育てます。立体的に生育するので空間の演出にも最適です。

植木鉢で育てるときのポイント

乾燥の激しいときは、葉水を与えたり、置き場の周りに打ち水をするなど、空気湿度を上げる工夫をしましょう。

花期:9月~10月

9.シュメイギク

花の特徴

涼しい秋風に風情に揺れるしなやかで美しい花です。花はか弱く見えますが、庭に地植えすると地下茎を伸ばして、あたり一面にはびこってしまうほど強健です。一見したところ菊に似ているので「キク」がつきますがアネモネの仲間で、名のとおり秋の盛りに咲きます。ヨーロッパで改良された品種は秋明菊と思えないほど華やか。花壇の縁に群れて咲かせるとスラリと伸びた草姿がはえてキレイです。大型のコンテナなら十分楽しめる花です。

植木鉢で育てるときのポイント

水はけが悪いと根腐れしますので、コンテナ栽培では鉢底石を入れましょう。背が高くなる品種が多いので、台風シーズンには支柱を立てるなど倒伏しないように工夫しましょう。

花期:9月~11月

10.シコンノボタン

花の特徴

”紫紺”の名前のとおり目を奪われるほど鮮やかで印象的な紫花です。根の生育が非常に早く、株が小さいうちは毎年植え替えをおすすめします。赤紫花もノボタンとして出回っていますが、こちらは熱帯アジア原産で別品種。シコンノボタンは葉に縦の葉脈がしっかりついているので、葉で見分けることができます。

植木鉢で育てるときのポイント

日光が不足すると花つきや花色が悪くなるので注意します。花後には、根元から10~15cmのところで切り戻して形を整えましょう。

花期:7月~11月

秋らしい植木鉢とは

秋の花は小さめで趣のあるものが多いので、装飾の少ないシンプルな鉢がおすすめです。コスモスの根元に深い色のヒューケラを組み合わせたり、スプレーマムにススキやコルディリネ、カレックス、コクリュウといった線を意識した葉を組み合わせるおすすめの寄せ植えでは、落ち着いた深いカラーの鉢を合わせることで、花や葉の美しいラインが明確に出て、美しくまとめることができます。

おすすめの植木鉢

トリダニート 972
焼く前に削るという手作業が入ることで、小石が引きずられたような跡が残る、土ものらしいラフな表情の植木鉢です。とくにチャコールブラウンは秋におすすめ。ナチュラルなカラーを美しく引き立ててくれます。

モスポット アザレア
ちょっといびつで古びた雰囲気をもつポットで、その素朴さが野の花のような味わいをもつ秋の花によく合います。とくに400はスタンダードな形で大きめのサイズが揃うシリーズ。寄せ植えには8号、11号がおすすめです。

ウィーブンポット レクト
日焼けやヌレにも強く、屋外でも使用できるポリレジン原料の人工ラタンの鉢カバーです。レクトは尺鉢(10号鉢)の入る硬質のインナーポットが2つ並んでセットされていますので、いくつかのプラ鉢をそのまま入れて、寄せ植え気分で飾ることもできます。専用の底面潅水システムを取り付ければ、直植えも可能です。

底面潅水(かんすい)システム
水やりのタイミングを水位計が知らせてくれる便利なシステムで、仕切りベースの下に貯めた水を植物が必要な時に吸い上げる仕組みです。このシステムは、専用の硬質インナーポットにしかセットできませんのでご注意ください。

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