スナップエンドウを育てよう!みんなで収穫できるプランター栽培

レタスからリレーした人も、これからはじめる人にも

この記事では「植木鉢一個からはじめるベランダガーデン」をテーマに、同じ植木鉢を使って秋、冬、春植えの野菜をリレーして一年間野菜を育てています。
レタスからリレーしてくださった方はもちろん、このスナップエンドウからスタートしても大丈夫。野菜作りはいつからでもはじめられます。
レタスからスタートした方は10月下旬に植えたレタスの収穫が終わり、12月頃にはワケギだけになっているかもしれません。
もちろんワケギだけを育ててもう一度春にレタスを育てることもできますが、今度はスナップエンドウに挑戦してみませんか?
スナップエンドウを植えつけするのに土はそのままでいいの?ワケギはまだ元気だけど、どうしたらいいの?
この記事では、スナップエンドウの育て方を分かりやすくお伝えするとともに、同じプランターで次の野菜を育てるときの土の再生方法もわかりやすくお伝えします。

プランターで野菜を育てるポイントやプランターで育てやすいおすすめ野菜をこちらの記事でご紹介しています。
リーフレタスやスナップエンドウ以外にも育てやすい野菜を多数ご紹介していますので、是非お立ち寄りください。

一年間野菜づくり 第1回の「秋はリーフレタスに挑戦!プランター栽培で収穫してすぐテーブルに」はこちらから。

スナップエンドウとは?

サヤも実も食べられる、お得豆

エンドウの故郷は、エチオピアから中央アジアにかけての地域。15~20℃と冷涼な気候なので、日本では冬に育てて春に収穫する野菜です。
スナックエンドウは、実が膨らむ前の若いサヤを食べるサヤエンドウや実だけを食べるグリーンピースと異なり、肉厚なサヤと豆の両方を食べられるので、とってもお得なエンドウです。
サヤが鮮やかな緑色の若ザヤから、中の実が膨らんでパンパンになるまで、どんな大きさでも食べられますが、指で中の豆を感じられる頃が収穫の適期です。
一般的な品種ではツルが2~3mになりますが、つるなし(わい性種)なら草丈60~80㎝。収穫はつるありの1/3ほどですが長い支柱が必要ない分、管理はとても楽です。
深さ25㎝以上のプランターであれば育てることができるので、小さな植木鉢しかない方はこちらを育ててみてください。

土はそのままでいいの?

一つのプランターで一年間野菜を育てていくことがテーマのこの記事では、今回のスナップエンドウが2サイクル目の野菜になります。
前作がサニーレタスのように短い期間しか育てない野菜であれば、新しい土と肥料を軽く入れて、根が届いたあたりまでシャベルを入れて土を返して空気を入れてあげるだけで次の野菜を育てることができますが、前作が生育期間の長い鉢の深くまで根が伸びるような野菜の場合は、多少手をかけて土を再生することで次の野菜の生長は大きく違ってきます。
畑では、一般的にはすぐに次の野菜を植えつけることはありません。
土をスコップで掘り起こして、下にある土と表面の土を入れ替える「天地返し」をして深い場所にあった土を掘り起こして日光にさらし、時には石灰をまいて酸度調整をしたり、たい肥や有機肥料を追加して日数を置いて完全に有機肥料が発酵するのを待ってから次の野菜を植えつけます。
また「連作障害」を避けるために、同じ野菜や同じ科の野菜を同じ場所で育てないなど、様々な工夫をすることでより多くの収穫を目指しているのです。

プランター栽培では、畑と同じ作業が「鉢」という入れ物に入っていることでより簡単に行えます。
野菜作りにとって、土はとても大切。土を再生させて環境を整えてあげることは野菜を元気に育て、美味しくする基本作業です。
では、野菜にとって良い土とは、どんな土なのでしょうか?

よい土って、どんな土?

土の粒子と粒子の間に水と空気がたっぷりの「団粒構造」

植物は、根の先端から5~10mmくらいのところにある「根毛」とよばれる部分で水や養分を吸い上げ、根や茎を通して葉や花に運んでいます。
根がスムーズに水分や養分を吸収するためには、土に中に適度な空気(酸素)があることが必要で、土の粒子の間のすき間は水とともに空気をスムーズに通過させるためにもとても大切です。
土の部分を「固相」、水の部分を「液相」、空気の部分を「気相」といい、土の中ではこの3つの部分が入り混じって植物の生育を支えています。
多くの植物の好む土の割合は、固相40%、液相30%、気相30%といわれ、赤玉土の小粒6に対して腐葉土4を混ぜたものがほぼその比率になり、基本用土とよばれています。
野菜の用土は「空気や水分を保ったふかふかの土」と表現されるように、通気性、水はけ、水もちを補うために、たい肥のような「有機物」とパーライトやバーミキュライトのような「無機物」の改良用土を基本用土に加えることで、理想的な団粒構造になっています。
たい肥など、有機肥料は土の中の微生物のエサとなり、微生物が細根などを分解して土を再生し、土を肥沃にする働きをしてくれます。

古い土は再生して使おう!

リサイクルの意味

ベランダで園芸を楽しむ人にとって、古い鉢土の処分は頭の痛い問題です。土は値段も案外高いものなので上手にリサイクルして使いたいものです。
土は、植物を育てているうちに団粒構造が失われ、通気性や水はけが低下し、土の粒子が細かくなって空気や水分が適度に保てなくなることで、土の力が衰えていきます。
野菜の栽培の中でも、とくにナスやトマトなど長期間実を成らせる野菜では、吸収されなかった肥料成分だけが残って肥料のバランスが悪くなったり、有機物が使われ尽くしてしまい微生物の働きが弱くなって、土の質が極端に悪くなってしまいます。
人間が少しだけ手助けすることで土の疲れが取れ、もとのふかふかの状態を取り戻して野菜たちの根がのびのびと伸びる環境に変えることができます。
市販のリサイクル材には米ヌカやカニ殻、魚骨、樹皮といった有機物、パーライトのような土を団粒化する成分、微量要素、有用微生物や酵母菌体などさまざまな原料が使われています。
こういったリサイクル資材は手軽でしかも効果的。何となく体によさそうなものがバランスよく入っているので、はじめて挑戦するときは利用してみましょう。
慣れてきたら品質表示を参考に、好みのものを選んでブレンドすることもできます。化成肥料などと違って、多少入れ過ぎても問題はありません。

リサイクル方法

リサイクルは古い土の殺菌と団粒構造の復活、減った肥料分の補充が大きな目的です。
前作の野菜の栽培期間の長さによってもリサイクルの手間のかけ方は変わってきますが、どのくらい時間と手間をかけられるかによって、いくつかの方法があります。
ここでは、3つの方法をご紹介します。

  1. 1~2か月、ビニール袋でじっくり再生
    土を総取り換えします。古い土は時間をかけてリサイクルし、使う土と再生中の土の2つを交互に使います。古い土は中から株や根、葉、ゴミを取り除き、米ぬかや油粕などの有機肥料を混ぜて、手で握ると固まるくらいに水を足し、ビニール袋に入れて、そのまま日向に置いて1~2ヶ月寝かせてから新しい土を1/3ほど加えます。
  2. 1~2週間、広げて日干し
    株や根、葉、ゴミを取り除き、土を薄く広げて日干しします。時々かき混ぜながら、夏は3日~2週間、冬は1週間~2週間ほど乾かします。市販のリサイクル材(微量要素やたい肥などを含んだリサイクル専用資材)を加えてまんべんなく混ぜてから、基本用土(赤玉小粒6:腐葉土4)を1/3ほど加えます。
  3. 熱湯消毒
    日向に置いて鉢内の土をなるべく乾かし、厚みのあるビニール袋(薄い場合は、袋を二重にしましょう)の中に土をひっくり返して、苗や根、葉、ゴミを取り除きます。袋の中に手で握ると土が固まるくらいの量の熱湯を注ぎ入れ、口を結んでなるべく平らにして日向に置きます。余熱が取れたら、市販のリサイクル材を加えて、よく混ぜれば完成。冬場なら熱湯消毒のあと湿ったままの土を大きめの鉢に入れて冷気にさらして、春に新しい培養土を足して使います。

いっぱい取れて、花もかわいい!スナップエンドウ

スナップエンドウの苗を買う前に

秋にリーフレタスからはじめた方は、ワケギを継続して育てます。ワケギは秋から春まで3回ほど収穫できるので、苗周りの3㎝ほど外側にシャベルを入れて、根を切らないようにそっと抜き、空いている鉢やポリポット、ビニール袋などに受けておきます。

さあ、植えつけ開始!

土の準備ができたら、苗を用意しましょう。
植えつけの適期は11月下旬~12月中旬です。
今回からはじめる方は、株と株の間隔が20~25㎝あくように株数を決めます。
使用しているイタリアンテラコッタ スタンダルドアリーナ13号では、3ポット植えることができます。

リーフレタスからはじめた方は、今回は背の高くなる野菜なので、鉢壁に近い一角にワケギを植えて、スナックエンドウのポットは2ポット購入しましょう。

エンドウは発芽しやすいタネなので、タネから育てることもできます。
タネをまいて育てる場合は10月中旬~11月頃、10日間で発芽しないときはまき直しが必要です。

こんな苗がおすすめ!

スナップエンドウは、年内に苗を大きくし過ぎないことがうまく育てるポイントです。
エンドウは4月に入ってから収穫がはじまる野菜で、寒い時期にはあまり大きさが変わらず、早春に目を覚ましたように成長をはじめて支柱が必要なほどに急生長します。
大きな体の苗よりも小さな苗の方が耐寒性が高く、若い苗のうちなら氷点下にも耐えるほどです。小さな苗ならつるも短く寒風による苗の痛みも少ないので、苗を購入するときは、本葉3~4枚ほどのしっかりとした小苗を選びましょう。
ポリポットに3株以上芽があるものは、ポットにまいた種がみんな発芽したから。植えつけるときにはそのまま植えて、一週間ほどして苗が落ち着いたら育ちのよいものを2株残して、後はハサミでカットしましょう。
土表面に茎を残すとそこからまた成長してしまうことがあります。カットするときは青い部分が残らないように土の中で切ります。離れた芽の場合は抜いても構いませんが、残す芽の根っこを切らないように注意しましょう。
野菜は根が大切。なるべく根を痛めないように、ポットから抜くときや植えつけ時には、根を切らないように丁寧に行いましょう。
では、さっそく植えつけです!

  1. ワケギだけが残った植木鉢
  2. ワケギを掘り起こします
    株から少し離れたところにショベルを入れて、苗を掘り起こします。
  3. ワケギの仮置き
    受け皿やビニール袋などに抜いたワケギを置いておきます。根が強いので、作業はゆっくりでも大丈夫。
  4. 肥料を入れる
    シャベルで掘り起こし、残った根などがあれば取り除きます。肥料を追加して土に混ぜ込みます。
  5. 土を足します
    減った土を足し、なるべく深くまで空気を含ませるように古い土に混ぜ込みます。
  6. 植え穴を3つ開けます
    スナップエンドウ分2つ、ワケギ分1つ、合計3つの植え穴を均等にあけます。
  7. ポットから苗を取り出します
    根を切らないように丁寧に取り出しましょう。
  8. 苗周りを軽くおさえる
    小指側の側面を使って、植えてあったポットあたりを軽く押さえ、苗を安定させます。
  9. ワケギを植えます
    最後にワケギを植えます。生長点が土に埋まらないように、深植えにならないように植えつけます。

  10. 土を足します
    低くなってた場所に土を足して、軽く押さえて平らにします。

  11. 水やりします
    全体にまんべんなく、底穴から水が出るまでたっぷりと水やりします。

  12. 支柱を立てます
    3本の支柱はまっすぐに立てても、上の部分で結束しても構いません。風の強いところに置く場合は、結束した方が安定します。

  13. ヒモをかけます
    エンドウが捕まれるように20㎝ごとにヒモを渡していきます。成長とともに、順次上に結んでいきます。

  14. 完成!
    1~2日は半日陰において、苗を落ちつかせます。

その後の管理

植えつけて10週間ほどたって、草丈が20㎝ほどになったら2mほどの支柱を3本立てます。
3本の頂点を結束すると安定がよいですが、まっすぐに立てたまま20㎝ごとに支柱の間をつなぐように紐を渡していっても構いません。
エンドウは自然につるがからんでいくので、生長のたびに支柱に結んでいく必要もありません。
植えつけて120日ほどすると、スイートピーにそっくりなかわいい花がいっせいに咲き、さらに10~15日たつと収穫です。
花が咲いた分しか実にはなりませんので、花の咲いた姿を見るとどのくらい収穫できるか星勘定ができます。
咲いた花が大きな実に育つように、花が咲いて実になっていく頃には液体肥料で追肥しましょう。

おすすめの資材


園芸培養土
バークたい肥、ピートモス、赤玉土やパーライトなど、自然由来の原料を使用した基本用土です。過剰な肥料や化学合成成分が入っていないので、好みの肥料を追加して使用することができます。


ハイポネックス原液
水にうすめて使う液体肥料で、野菜の健全な生育に必要な三大栄養素(チッソ・リン酸・カリウム)をはじめ、三大要素がしっかりと吸収されるために大切なマンガン・ホウ素・銅・亜鉛・モリブデン・塩素などの微量要素をバランスよく配合しています。与えて効果がすぐに現れる速効性で、花や野菜など、いろいろな植物の花や実つき、花色、葉色をよくします。

おいしく食べる、ワンポイントアドバイス!

収穫サイズを見極める

エンドウやエダマメのような豆類やトウモロコシは「鍋にお湯を沸かしてから収穫に行け」といわれるほど、野菜の中でもとくに鮮度落ちの早い野菜です。それは、採れたてが格別に甘みがあって美味しいということですが、大きくすることにこだわって、いつまでも実を成らせたままにしておくと収穫する前に一番おいしい時期を逃してしまいます。何度か収穫してどの大きさで収穫するのが一番良いか、好みの大きさをみつけましょう。
でも、採り遅れたスナップエンドウも、豆を充実させればグリーンピースのような使い方で食べることができますのでご心配はいりません。

野菜スクスク♪成長記録

植えつけて2か月。
30㎝ほどになりました。