クレマチスにぴったりな植木鉢!鉢に植えたクレマチスをできるだけ簡単に管理する方法も

鉢植えでクレマチスを育てよう!

流れるようなラインと上品な葉、完成度の高い花をもつクレマチス。
緑に溶け込むように風にゆれる姿は情緒たっぷりで、まさに「つる花の女王」です。
つる性の植物は剪定の仕方がわからないからと、なかなか一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
クレマチスはバラのようなトゲもなく、つるもやわらかく、形を自分でコントロールできるので植木鉢一つから気楽にはじめることができます。
本記事ではクレマチスの特徴や植木鉢でクレマチスを育てるときのポイント、クレマチスを素敵に演出する植木鉢を厳選してご紹介します。

クレマチスってどんな花?

クレマチスとは


クレマチスはクリスマスローズやアネモネと同じキンポウゲ科のつる性植物で、北半球を中心に250~300種類の原種があります。
日本にも大輪系の交配の親ともなったカザグルマなど20種類が自生しています。
カザグルマや中国原産のテッセン、欧米原産のビチセラやインテグリフォリアなどの原種をもとに数多くの園芸品種が作られ、そのナチュラルな美しい姿から、今ではバラとならんで最も人気のある植物のひとつになっています。

クレマチスの特徴

冬咲き、春咲き以外の一般的なクレマチスは、2月下旬頃から生育をはじめ、つるを伸ばして5月頃に花を咲かせ、再びつるを伸ばしては開花することを1~3回程繰り返して、12月には茎葉を枯らして休眠に入り、また2月頃に芽が動き出すというライフサイクルをおくっています。
花のつき方、葉の形、原産地や剪定の仕方で15~17系統に分類されます。
分類の多さが、クレマチスをわかりにくくしているのかもしれませんね。

クレマチスの種類

クレマチスは花の咲く場所で「新枝咲き」「旧枝咲き」「新旧両枝咲き」の3種類に分類され、剪定の仕方が変わります。

新枝咲き
新梢に花がつくので、切って咲かせるタイプです。
小~中輪の多花で、つるのよく伸びるビチセラ系やチューリップ形やベル形の大輪花のテキセンシス系など
花はおもに、四季咲き性(一年のうちに数回、繰り返し咲く)です

 旧枝咲き
前年枝に花がつくので、伸ばして咲かせるタイプです。
つるのあまり伸びない春咲きの常緑フォステリー系や株いっぱいの花が圧巻のモンタナ系など
花はおもに、一季咲き性(一年で一度しか咲かない)です。
 
新旧両枝咲き
二つの性質を合わせもったタイプです。
テッセンを交配親に持ち、和の趣を残すフロリダ系など
花は、前年枝と当年伸びた新梢両方に咲きます。

(ちょっと寄り道)
ちなみに大輪系には、早咲き大輪系と遅咲き大輪系があります。
早咲きは古枝に花芽をつけて春(一部6~8月)一斉に開花するタイプ。遅咲きは5月から咲き、花後に剪定すると繰り返し咲くタイプです。
花の咲く時期で早咲き遅咲きがありますが、早咲きが旧枝咲き、遅咲きが新梢咲きということです。

初心者必見!クレマチスを咲かせる育て方

クレマチス苗の選び方


2~5月と9~11月頃に園芸店やホームセンターなどに苗が並びます。
1年生苗は種類も豊富ですが、本格的な開花までには2~3年かかりますので、育てやすい2年生以上の苗がおすすめ。
少し価格は高くなりますが、5号鉢に植えられた3年生苗や花の咲いている開花株なら安心です。
鉢底から太い根が覗いている、葉色の濃いしっかりとした株を選びます。
おすすめは四季咲き性の品種。
花も大きく美しくてオススメです。
四季咲きは、カットする場所を決めるために芽を探したり、冬には地上部が枯れるので枝を誘引する手間がなく、株も自然にリセットされるからです。
早春に開花するフォステリー系もおすすめです。
枝があまり伸びないので、植木鉢やハンギングなど支柱を使わずにクレマチスを楽しむことができる鉢栽培向きの種類です。
常緑の葉も細やかで可愛いです。

クレマチスの植え方

土と鉢を準備します。
土質はあまり選びませんので、清潔な園芸培養土に植えつけましょう。
植わっていた鉢の二回りほど大きな鉢に植えつけます。
クレマチスの根は、縦に深く伸びるので、植木鉢は細長い形の8~10号鉢がおすすめです。
クレマチスを植えるときは、一節深く植え込むことで地中の節からつるが出て2~3本の株立ちになり、充実した株になるのです。

クレマチスの置き場所

日当たりがよく、風で葉がゆれるような場所が最適です。
つるは光を求めて生長します。
午前中に十分日が当たる場所で育てます。
真夏は直射日光の当たらない風通しのよい半日陰に移しましょう。

クレマチスの水やり

年間を通して水やりが必要です。
表土が乾いたらたっぷり与えます。
クレマチスは根が水を欲しがる植物です。
とくに開花直前に水切れすると、花が咲かないこともあるので注意します。
夏や冬の休眠期にも乾燥し過ぎないように管理します。
つるの伸びないフォステリー系は多湿を嫌うので、水のやり過ぎに注意します。
とくに花の咲いている間は、乾かし気味に管理します。

クレマチスの肥料

クレマチスは肥料が大好きです。
定期的に与えることで、花が咲きやすくなります。
切って咲かせるタイプは12~1月、その後は二か月に一回置き型肥料を与えるか、月に2~3回液体肥料を与えます。
伸ばして咲かせるタイプは12~1月と花後に与えます。
多くは初夏に一番花が咲きますが、二番花や三番花を咲かせたい場合は、肥料切れさせないように注意します。

育て方のポイント


クレマチスを育てるポイントは上手なつるの誘引です。
つるが節々からつぎつぎに出てきて、枝がごちゃごちゃと絡み合ってしまう!冬場に茶色くなってしまったつるはそのままでいいの?
そんな頭の痛い「つる問題」を解決するつるの処理について、わかりやすくお伝えします。

新しく伸びたつる
誘引はそもそも花をバランスよく咲かせるために行います。
それには、新しく伸びたつるができるだけモジャモジャにならないことを目指せばよいのです。
S字でもらせん状でもかまいません。
できるだけ枝と枝が重ならないようにするだけです。

花が終わったら
花後はタネをつけさせないための剪定です。
品種がわからなくなっても、今年伸びたつるを半分の位置でカットすれば大丈夫。
少し面倒かもしれませんが、トレリスやオベリスクからほどいて、真ん中あたりで切りましょう。
樹木や草花のように節近くでカットするのではなく、節と節の中間点で切ります。

葉が枯れている時期のつる
2月中旬~3月上旬には枯れ葉のつけ根に芽がぷっくりと膨らみはじめます。
生きているのは、その芽から下の部分なので、芽と上の節との中間点でカットします。
剪定後に残った枝は、なるべく下の方に誘引します。
ポキポキと音がしますが、外皮が割れているだけなので生育には影響ありません。

クレマチスの育て方まとめ

●植木鉢でも育てやすい品種を選びましょう
●日当たりと風通しのよい場所で育てましょう
●肥料は定期的に与えましょう
●つるは季節に合わせてカットし、誘引しましょう

植木鉢でクレマチスを育てるメリット

植木鉢でクレマチスを育てよう

鉢栽培のメリットは、土がないところでも植物を楽しめること。
記事の中では、植木鉢で育てやすいクレマチスの品種選びについてお伝えしてきました。
しなやかなクレマチスは植木鉢の中だけにどどまることはありません。
鉢栽培はクレマチスの利用価値をもっと広げていきます。

憧れのバラとの共演も

植木鉢を利用すれば何もなかった空間を素敵なフォーカスポイントにすることができます。
一鉢でも存在感のあるクレマチスは、玄関先でウエルカムフラワーとしても活躍します。
鉢栽培は管理する場所を簡単に移動することができ、美しい花が咲いているときだけ玄関先やテラスの最前列で楽しむことができます。
クレマチスは草丈が2~3mほどにおさまる品種も多く、植木鉢からウッドデッキや目隠しのためのウッドフェンスにツルを渡すには、ほどよい草丈です。
これは、花の咲いている時期はもちろん、葉も美しいクレマチスならではの使い方です。
庭が植物でいっぱいでも、植木鉢に植えてツルを庭木に絡ませることで、花のある新しい景色が生まれます。
クレマチスのナチュラルですっきりとした樹形は、そっと景色にとけ込みます。
また、クレマチスとバラはパートナープランツともよばれ、引き立て合う最強の組み合わせとして語られることも多いのですが、バラとクレマチスを共演させようと思うと根をしっかりと分ける必要があり、広いスペースが必要になります。
でもクレマチスが鉢であれば、そんな心配もなくなり、憧れのバラとの共演も可能です。
またコンパクトなフォステリー系はハンギングポットから自然に垂らしたり、寄せ植えの材料として使うこともできます。
クレマチスに対応する6号、8号、10号の深鉢は場所もあまり選ばない大きさです。
鉢栽培は剪定と肥料がコントロールしやすいので、繰り返し花を咲かせることができます。
クレマチス栽培に慣れたら異なる季節に咲くものなど、新たな品種にも挑戦してみてください。

クレマチスに最適な植木鉢とは


花と葉のやわらかな調和が美しいクレマチスにとって、植木鉢やコンテナは雰囲気づくりには欠かすことのできない要素です。
クレマチスは品種によってさまざまな色や大きさがありますが、1~2節深く植えつけることは共通ですので、根の伸びるスペースを考慮して深鉢に植えるのが一般的です。
あまりスリムな形の鉢はオベリスクやトレリスを設置しにくいので、ある程度口径があった方が植えやすく、縦にすらりとつるが伸びるクレマチスの樹形とのバランスもよくなります。
ただ、深鉢は鉢の高さがあるため、水はけが悪くなりがちです。
クレマチスはあまりじめじめとした鉢環境は好みませんので、鉢底には鉢底石などを多めに入れて底上げしましょう。
これは底の方に比重が下がって、鉢の安定にもつながります。
上品なクレマチスには、スクエアタイプような直線的なラインが美しい植木鉢がよく似合います。
フォーマルで上品な雰囲気なので、玄関先などよく人の目に触れる場所に利用してほしいおすすめのフォルムです。
植木鉢の素材も、やはり水はけが大切です。
素焼き鉢は、粘土を焼成して作られているので、表面が多孔質で空気や水分を通しやすいのが特徴です。
余分な水分が蒸散しやすく、鉢内の空気も入れ替わるので、クレマチスにおすすめの素材です。
苗が4.5号鉢(13.5cm)なら7~8号(直径21~24cm)くらいの大きさの鉢に植えつけましょう。

クレマチスにぴったりな植木鉢ランキング

サフィ E-30W 白土焼付
やさしいバニラ色で、ハンドメイドならではのあたたかみのあるやわらかなラインがナチュラルなクレマチスとよく似合います。
水や空気の通りもよく、じめじめした環境を嫌うクレマチスにはぴったりです。
クレマチスに使いやすい6号、8号、10号のポットです。

トリニダート 963
白土は南欧テイスト、黒土はモダンな和テイストを感じさせるポットで、洗練されたデザインが可憐なクレマチスにぴったりです。
トリニダートの中でも、スクエアタイプはクレマチスの樹形をより美しく見せるおすすめのデザイン。
エントランスに飾ってもお洒落です。
クレマチスに使いやすい6号、8号、11号のポットです。

エトナ アリーナ

主張しすぎない色味とどんなお庭にも似合うシンプルな形。
ラフな削り部分と平滑のボディの対比が美しく、アクセントとなっています。
とくに口径の広がったフレアタイプはエレガントな雰囲気のクレマチスとよく合います。

鉢底石 10L
鉢底に入れてると、水はけがよくなり根腐れ防止に効果的です。
鉢底ネット3枚つき