植木鉢にぴったりな春、夏、秋植え球根!育てるポイントと楽しみ方も

鉢植えで球根植物を育てよう!

花が咲くまでのワクワク感

何もないところから、いつの間にかに現れる不思議な植物、球根。
苦手な環境になると球の中に閉じこもり、得意な季節になるとものすごい勢いで成長をはじめます。
生きているのかな?どの部位から出てくるんだろう?いつ出てくるんだろう?球根の楽しみはまさにこのワクワク感です。
球根植物というと誰もが思い浮かべるチューリップやスイセンだけでなく、球根には個性豊かで美しいものがたくさんあります。
お馴染みの球根はもちろん、なかには「これも球根植物だったんだ」というものも。
この楽しみは、限られた季節に植えておかないと味わえないものです。
さあ、球根を見つけたら一袋買って、植えてみましょう!

この記事では植木鉢におすすめの秋植え、春植え、夏植えの球根をご紹介するとともに、植木鉢で育てるときのポイントと球根植物にぴったりな植木鉢を厳選してご紹介します。

球根ってなに?

球根とは

多年草は休眠の仕方によって宿根草と球根植物に分けられるので、球根は多年草の中の一形態です。
宿根草は冬になると地上部が枯れて、土の中の根や茎、芽などが枯れずに残って季節になると再び地上に芽を出す植物ですが、球根は地下にある根・茎・葉など体の一部を芋状に肥大させて養分を蓄える形態をとった植物で、園芸では広い意味で球根植物とよんでいます。
気温、地温、水分の過不足や日照時間の長短など環境が合わないときは休眠します。球根は休眠期がちょうど乾燥期に当たる地域で発達した植物なのです。

タネとはどこが違うの?

厳しい季節を眠って過ごし、発芽のタイミングまで地下で栄養を蓄えることで生命をつなぐ役割(生存方法)はタネも球根も同じです。
タネは花が咲き受粉することで作られ、発芽するとタネの役目を終えますが、球根は葉のあるうちは光合成によって栄養を作り続け、地下の球根にでんぷんを蓄えて次の開花に備えます。もちろん花を咲かせるのですから球根にもタネはできます。ただ、花が咲くまでの大きさに成長するまでは数年かかってしまうので、観賞用として楽しむときは親や親のそばにできる子球を太らせた球根を買い求めることになります。

球根の種類

どの器官が肥大しているかで5タイプ

球根はどの部分がふくらむかで5つのタイプに分けられます。たとえばチューリップは葉の一番下が膨らんで球根になります。葉は3枚ほどなので球根も3つになるわけです。
野菜を例にすると、タマネギは葉、ジャガイモは茎、サツマイモは根、ショウガは地下茎です。
同じグループの球根たちは大きさこそ違っても、形はよく似ています。

1.塊根(かいこん)

根が肥大したタイプです。根に養分がたくわえられ肥大したもので、短縮した地下茎自身が肥大化し塊状になるので薄皮はありません。
代表的な植物…ダリア、ラナンキュラス、サツマイモ

2.塊茎(かいけい)

茎が肥大したタイプです。地下茎が肥大し、ところどころに芽をつけるものです。外側を包む薄皮がないので球茎と区別します。
代表的な植物…シクラメン、アネモネ、球根ベゴニア、ジャガイモ

3.鱗茎(りんけい)

中心部分の茎などを鱗片状の葉が層状に包んでいるタイプです。短縮した茎に肥大した葉っぱや葉の一部(鱗片葉)が重なり合って球状になります。
代表的な植物…チューリップ、アマリリス、ヒヤシンス、タマネギ、ユリ

4.球茎(きゅうけい)

茎自身が肥大化して球状になったタイプです。短縮した茎が肥大して球状やタマゴ型になり、乾燥した葉の一部が外側を包む薄皮になります。
代表的な植物…グラジオラス、クロッカス、フリージア、サトイモ

5.根茎(こんけい)

水平方向に伸びた地下茎が肥大化したタイプです。地下茎全体が肥大して棒状や塊状になり、節々から芽や根を出します。形は棒状や尾状です。
代表的な植物…カンナ、スズラン、ジャーマンアイリス、レンコン

いつ植えるか、植える季節で3タイプ

大別すると温帯から亜寒帯地域原産で夏の暑さを嫌う「秋植え球根」と、熱帯地方から亜熱帯地方が原産地で寒さを苦手とする「春植え球根」に分けることができます。球根は、一般的にはこの分類で分けられています。「夏植え球根」は秋植え球根の中に含まれる場合もあります。

1.秋植え球根

秋植え球根の多くは地中海沿岸地域が原産地で、この地域では夏の間が乾季でほとんど雨が降りません。そこで短い春の間に大急ぎで生育し、養分を蓄えて夏の間は地上部を枯らすことで暑く乾いた時期を乗り越え、冷涼な気候が訪れて雨が降るようになると再び根を伸ばしはじめます。この季節がちょうど日本では秋(10月頃)になることから”秋植え球根”と呼ばれるようになりました。チューリップ、クロッカス、スイセンなど

2.春植え球根

熱帯アメリカや熱帯アジアなどを原産とする球根で、暑さに強く日本では夏から秋に盛んに成長して花を咲かせます。耐寒性がないので、日本では越冬することが難しく、とくに寒冷地では一年草として扱われるのが普通です。十分に温度が高くなった4月~5月が植えつけの適期になるので”春植え球根”とよばれています。カンナ、グラジオラス、ダリアなど

3.夏植え球根

おもに南アフリカのケープ地方を原産地とする球根で、温暖な気候を好み、強い寒さや極端な高温が苦手なので日本では暑さがおさまってくる8月末~9月中旬にかけてが植えつけの適期となる球根です。リコリス、オキザリスなど

球根の育て方

来年も楽しむなら、分球・子株は最小限に

土の量に制限のあるプランター栽培では、しっかりと根が張れるように球根の頭がようやく隠れるくらいの浅植えにするのが一般的です。
地植えするときには球根2個分といわれる間隔も、プランター栽培では密に植えたほうが見栄えがするので1個~1/2個分くらいに詰めて、球根同士がくっつくように植えた方がきれいに見えます。
ただ、球根は浅植えすると分球しやすくなるため、翌年の花はあまり期待できません。
鉢栽培では球根も一年草と割り切るか、来年も引き続き育てる場合は、根がしっかり伸びることができる深めの鉢に植えつけるようにしましょう。
また、葉が枯れたら鉢植えから地植えに切り替えるのも一つの方法です。この方法は花の高さや咲き方など花の姿や成長の仕方を鉢栽培で確認してから地植えできるというメリットもあります。
プランターが大きすぎると子株が出やすくなり、子株が出ると花がつきにくくなります。来年も同じ球根を楽しみたい場合は球根の周りに2、3㎝の余裕がとれる大きさのプランターを選びましょう。

5号鉢に何個植える?

深めの5号鉢に球根一個分の株間を取った場合の目安です。たっぷり花を楽しみたい場合は、もっと密に植えても大丈夫です。

【目安】
チューリップ、スイセンなど・・・3球
ユリ、ダリアなど・・・1球
ムスカリ、クロッカスなど・・・8~10球

鉢栽培では、水やりも大切

芽が出るまでは地面しか見えないので水やりを忘れがちになりますが、この時期にしっかりと水を与えないと葉が縮れたようになり生長にも影響します。表土が乾いたたっぷり水やりしましょう。
芽が出てからも、乾燥が続くと葉が茂っても花が咲かないことがあります。乾燥しすぎないように注意しましょう。

球根の選び方

形のよい、重たい球根を選ぼう

球根にはさまざまな形や大きさがありますが同じ種類で比較して、より太った重たいものを選びましょう。重たいものは栄養状態が良いだけでなく、乾燥しすぎていないことの証明でもあります。カビが生えていたり傷があるものを避けるのはもちろん、変形しているものは葉の形状や花も偏って入っていると考えられるので、ぷっくりとした、なるべくふくよかなものを選びましょう。
手間いらずで育てられることが球根のよさですが、球根によっては上下を間違えると芽が出なかったり、給水させてから植えないと腐りやすいものもあります。
同じ種類でも品種によって性格に幅がありますので、はじめての栽培では間隔や深さ、注意点などが書き添えてある袋入りの球根を選び、しっかりと目を通してから植えつけましょう。

球根の楽しみ方

見せる、隠す!主役、わき役をチョイス

球根のよさは、今すぐ咲かなくても鉢の中できっちりと場所どりができていること。
植木鉢で育てておけば、蕾が見え隠れする頃に玄関まわりやテラスに置いて、たくさんの人に楽しんでもらうことができます。
冬の初めに植えたパンジーもボリュームが出てきた頃には少し見慣れてしまいますが、隠しておいたチューリップが加わることで、また一層華やいだ雰囲気に変わり、終盤まで飽きさせない魅力的な一鉢になります。他の植物と寄せ植えしておけば水やりを忘れることもありません。
秋に植えつけ忘れたら、暮れ頃から出回るスイセンやヒヤシンスなどの蕾のついた秋植え球根も便利。冷蔵庫などで一定期間寒さに当てた後に温室で蕾をもたせた促成栽培の苗たちは、外でしっかりと寒さに当ててから暖かい室内の窓辺に飾れば春が来た!と勘違いして早く花を咲かせることができます。
水栽培は球根のもう一つの楽しみ方。
首のキュッとしまったガラス容器の上に球根をのせ、生き生きと伸びる根も楽しみながら育てる定番のタイプだけでなく、ビーカーやガラス容器に水と根腐れ防止のためのゼオライトを入れて、土の代わりに石やビー玉を使っておしゃれなインテリアとして飾ることもできます。
この栽培方法は空気が冷たく、水の傷みにくい秋植え球根ならではの楽しみ方かもしれません。

おすすめの秋植え球根

水やり以外、全く手がかからない

球根というと思い浮かぶ人気の花たちが秋植え球根には勢揃いしています。
球根の中に、翌春花を咲かせる養分がすべて蓄えられ、すでに花芽も準備されているので温度が上がりさえすればひとりでに咲いてくれる手軽さです。
花は開花するとそんなに長くは日持ちしませんが、葉が出て茎が立ち上がり、蕾ができて開花するまでの過程は寒い冬だからこそゆっくりで、日々移り変わる姿を気長に眺めることができます。
チューリップやヒヤシンス、シクラメンなどチャーミングで可憐な雰囲気の花は植える数によってどんな大きさの鉢でも楽しむことができますし、ムスカリやクロッカスのような一つ一つはとても小さな球根も群れて咲かせることで美しく印象的なコーナーを作ることができます。
このような小型球根はミニサイズの植木鉢に2~3球植えても可愛らしい仕上がりに。プレゼントにしても喜ばれそうです。

1.チューリップ

ヨーロッパを中心に世界中で親しまれている秋植え球根の代表格です。花色や咲き方など、とにかく種類が豊富で、植えっぱなしのまま毎年楽しめる原種系も根強い人気があります。品種選びでは、色や咲き方だけでなく、高さや咲く時期にも注目して選ぶことで一体感のあるガーデンを作ることができます。寒気に十分当てないとよい花は咲きません。しっかり戸外で寒気に当てて、日当たりのよい場所で管理しましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

水は大好きです。乾燥してしまうと茎が小さいままで終わってしまったり花が咲かなかったりするので、植えつけから観賞期まで極端に乾燥させないようにしましょう。蕾が色づきはじめたら、雨水が当たらない場所に置くと花が長く楽しめます。とがった方を上にして植えつけます。5号鉢に3~5球を目安に、やや過密気味に植えます。茶色の薄皮は、はがれていても問題ありません。

植えつけ:10月~11月
花期:3月~5月

2.アネモネ

太陽の光に透けるような美しい花びらが開閉を繰り返しながら次々と立ち上がり、春まで咲き続けます。花びらはやわらかで光沢があり、黒く細やかなおしべのコントラストが美しく、その繊細で風情豊かな花に魅了されます。茎がすーっと伸びて25~40cmと高いところで花が咲くので寄せ植えにもよく合います。一重咲きのほか八重咲もあります。

植木鉢で育てるときのポイント

日に当てると次々つぼみが上がります。できるだけ日当たりのよい場所で管理しましょう。掘り上げるときは、完全に葉が枯れてから行います。乾燥している球根です。そのまま植えると腐ってしまうことがあるので、一晩ほどかけてゆっくり給水させてから植えつけます。上下を間違えると発芽しません。根はとがった部分の方から伸びるので、平らな部分を上にして植えつけましょう。難しいと思ったら冬の終わりに出回る蕾つきのポット苗を利用することもできます。

植えつけ:9月~11月
花期:3月~5月

3.ラナンキュラス

花びらが幾重にも重なり、大輪のバラのような豪華さです。ビタミンカラーからパステルカラーまで花色も豊富で、いろいろな色を混植すると一層華やかで素敵です。日に当てることで発色のよい、しまった株になります。花びらに水が当たると痛むので鉢植え向きの球根植物といえます。

植木鉢で育てるときのポイント

乾燥させ過ぎると葉が縮れ、水を与えすぎると株が痛んで枯れてしまいます。水は表土がしっかりと乾いてからたっぷり与えるようにしましょう。ベランダやテラスなど花に水が当たらないような場所で管理すると美しいまま長く花を観賞することができます。乾燥している球根です。そのまま植えると腐ってしまうことがあるので、一晩ほどかけてゆっくり給水させてから植えつけます。給水させると堀り上げたてのサツマイモのような房状です。束になった部分を上にして植えます。5号鉢に3球が目安です。

植えつけ:9月~10月
花期:3月~5月

4.スイセン

12月頃に房状に咲くニホンスイセンと3月頃に一本の茎に一つの花をつけるラッパスイセンに大別できます。可憐で趣のある風情と優しい香りは秋植え球根の定番。植えっぱなしでも毎年出てくるので、とても助かる存在です。半日陰でも十分育ちますが日当たりと風通しのよい場所のほうが好みです。草丈も大小さまざま。みんなで太陽に向かって咲く姿は本当にカワイイです。スイセンは寂しがりや。球根はまとめて植えてあげましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

根が深く張るので、背の高い品種の場合は深鉢に植えつけます。花後すぐに来年の花のために栄養を貯めはじめます。葉は球根を太らせるために、枯れるまで取り去らないようにしましょう。5号鉢に3球が目安です。増えすぎて混みあうと花が咲きにくくなります。3年ほどしたら葉が黄色くなるタイミングで掘り上げて植え替えましょう。

植えつけ:10月~11月
花期:12月~5月

5.ヒヤシンス

小さめの星形の花を穂状に咲かせ、頭でっかちでぽっちゃりした姿はとても愛らしく、早春に開花する球根ではもっとも華やかです。ボリューム感のある花には濃厚な香りがあり、長期間咲き続けるので部屋の中に一輪あるだけでも芳香を感じます。パンジーやビオラを植えたプランターに5球ほど忍ばせておくと、春には可愛らしい寄せ植えになります。

植木鉢で育てるときのポイント

花軸が上がるまでは、戸外で寒気に十分当てます。水栽培できるほど水は大好きなので、鉢植えの水不足は禁物です。ひどく乾燥させると根の先端が枯れて成長が悪くなるので、冬の間も表土が乾きしだいたっぷり水やりしましょう。一年限りの球根にしない場合は、葉が枯れるまで一週間に一回、液体肥料を与えましょう。5号鉢に3球が目安です。2~3球植えただけでも豪華です。葉はしっかりしていますがボリュームはさほどないので、球根同士が接するほど密に植えた方が綺麗です。頂部が見えるほど浅く植えます。

植えつけ:10月~11月
花期:2月~4月

6.ムスカリ

ニョッキっと伸びたしっかりめの茎の先にブドウのように房状につく小花が愛くるしい人気の球根です。紫、ブルー、白、ピンクと色幅も豊富で、最近は花の途中で花色が切り替わる変わり種も増えています。ちょっとした小さな容器でも育てられるので、様々な容器を試すことができます。できるだけ日当たりのよい場所で管理しましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

高さ15cmくらいと小型なので、チューリップなどと組み合わせると愛らしい一鉢になります。鉢植えは乾燥気味に、表面が乾いたらたっぷり水やりします。5号鉢に8~10球が目安です。とがった方を上にして植えつけます。あまり早く植えると葉がだらしなく伸びてしまうので、寒さを感じる11月に入ってから植えるようにしましょう。

植えつけ:10月~11月
花期:3月~4月

7.フリティラリア(フラチラリア)

頂点部分に葉が放射状につき、花は下を向いて咲きます。代表品種であるインペリアリスは中近東原産で草丈60〜100cmほどの大型種。大きな球根から太い茎が伸び、その先に咲かせるオレンジ色や黄色、赤色の花は雄しべが花びらより長くてとても可憐です。中国原産のバイモや日本原産のクロユリも仲間ですが、こちらは冷涼な気候を好みます。いずれの花もどちらかといえば地植え向きですが肥沃な用土で乾かないように管理すれば、ベランダでの鉢栽培も可能です。

植木鉢で育てるときのポイント

春はとくに水を欲しがります。10~5月は表土が乾いたらたっぷり与え、6~9月は水やりを中止します。暑さは苦手なので、夏に腐ってしまうことが多いです。鉢植えは株元を腐葉土で覆い、涼しい場所で管理しましょう。大球は6号の深鉢に一球が目安です。覆土は7㎝前後で地表すれすれに植えるのがポイントです。

植えつけ:9月中旬~10月
花期:3~6月

8.ユリ(ユリ科)

百合というと夏の盛りに咲くヤマユリやテッポウユリ、高速道路の脇でもよく見かけるタカサゴユリなど白い花をイメージしますが、上向きに咲くオレンジ花のスカシユリや中国原産のリーガルリリー、キカノコユリなどを交配して作られたハイブリット系の誕生で、赤や黄色の鮮やかでしかも病気に強く育てやすい品種が増えています。とくにカサブランカに代表される”オリエンタルハイブリット”はヨーロッパでも大人気。日本原産のヤマユリやカノコユリ、ササユリをもとにして横向きに咲く大きな花は豊かな香りも持ち合わせています。ユリは代表的な秋植え球根ですが、春にも植えつけができます。

植木鉢で育てるときのポイント

水不足は致命傷になります。とくに蕾が見えはじめたら水切れしないように注意しましょう。鉢土の表面にピートモスや腐葉土などを厚く敷いてマルチングするのも効果的です。古くなるとしまりがゆるくなっ鱗茎(りんけい)がばらばらと落ちます。乾燥する前に早めに植えつけましょう。5号鉢に1球が目安です。球根の上から根が出るので、必ず深め(地面から20㎝以上)に植えつけます。生えている根が下になるように植えます。

植えつけ:3月~4月、10月~11月
花期:4月~7月

おすすめの春植え球根

南国生まれの個性派ぞろい

3月下旬~5月、とくに4月は春植え球根の植えつけの適期です。
秋に植える球根たちは春暖かくなると一斉に咲き始めるイメージですが、春植え球根は夏に開花するとは限らず、植えつけて間もなく咲きはじめるものから秋になってようやく咲きはじめるものまで咲く時期に幅があります。
草丈や育ち方も変化に富んでいてカラフルな花がとても多く、どれも華やかで個性的です。
ゼフィランサスやクルクマ、カラーといった地植え向きの球根やグラリオサ、サンダーソニアなどほとんど切り花でしかお目にかからないような、ちょっと気難しそうにみえる植物たちも鉢栽培では案外うまく育ちます。
春植え球根は生育期が暑い夏の時期になるため、秋植え球根のように元肥を与えると「肥料やけ」して腐ってしまうことがあります。植えつけのときには肥料は置き肥を利用する程度にして、生育状態によって液肥を与えるようにして育てます。

1.ユーコスミ

星形の穂状につく花と頂上に放射状に広がる葉姿がパイナップルにそっくりなので”パイナップルリリー”ともよばれています。草丈30~60㎝が主流ですが、10㎝程度の小型種や太い花茎を伸ばして1m以上にもなる大型種まで、いずれも存在感は抜群です。夏らしい雰囲気をもつ花は下から咲きあがり、真夏から秋まで咲き続け、花持ちもよいので観葉植物のような楽しみ方ができます。マイナス8度にも耐えるたくましい植物なので、冬も霜よけ程度で越冬できます。

植木鉢で育てるときのポイント

鉢栽培では草丈15~30㎝の小型・中型品種が育てやすくておすすめです。風通しのよい、よく日の当たる場所で育てましょう。小型~中型種は5号鉢に3~4球、深さ5㎝が目安です。春から秋までは鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。10月ごろから徐々に水やりの回数を減らしていき、冬の休眠期には水を与えません。

植えつけ:3月中旬~4月
花期:7月~8月

2.グラリオサ(ユリ科)

草丈100㎝以上になるつる性植物です。波打ちながら反り返って咲く花が炎のように見えることから”ファイヤーリリー”、葉先の巻きひげを絡ませながら伸びていくので”クライミングリリー”ともよばれています。赤や黄色の暖色系の花はとても情熱的で、切り花でもとても人気があります。日本の夏の暑さに耐えるほど耐暑性も強く、地植えでは場所が気に入ればどんどん球根を増やしていきます。しっかり休眠させることが大切な球根なので、植えつけの適期までは5~8度くらいの涼しい場所で管理しましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

南アフリカ原産の熱帯性の球根なので、基本的には冬に球根を掘り上げる必要がありますが、1年を通して暖かい場所であれば植えっぱなしでも大丈夫。原産地では明るく風通しのよい、少し湿り気のある場所なので、土の表面が乾いたらたっぷり水やりしましょう。10月ごろに葉が黄色くなったら、水やりを中止します。8号鉢に3球程度、二股になった球根を切り分けて切り口を上(芽が出る方を下向き)にして10㎝ほど差し込みます。方向が分からなければ球根が重ならないように横に寝かせて2~5㎝覆土します。草丈が40㎝ほどになったら支柱を設置するか、フェンスのそばに鉢を移動しましょう。

植えつけ:5月~6月
花期:7月~9月

3.サンダーソニア(ユリ科)

オレンジ色の壺を逆さに吊るしたような花姿はとてもキュートで、切り花ではお馴染みの花です。この花にとって日本は暑すぎで寒すぎる環境なので、地植えよりも鉢植え向きです。花の中では珍しい1属1種の植物で、原種の性格が非常に強く残っているので交配してもなかなか新しい花色は生まれないそうで、一般的に出回っているのはほぼ”サンダソニア・オーランチアカ”のみです。球根のほとんどはニュージーランドからの輸入品なのでやや休眠不足。植えつけの適期までは5~8度くらいの涼しい場所でしっかり休眠させましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

花後、葉が黄色くなったら水やりをやめて鉢のまま乾燥させます。5号鉢に1~3球が目安です。球根は二股になっているまま、切り離さずに植えつけます。芽が出る方を下にして土に5㎝程度差し込みます。

植えつけ:3月中旬~4月中旬
花期:5月~6月

4.ダリア(キク科)

夏咲き球根の代表格で、開花期の長さには定評があります。咲き方だけでも14タイプに分類できるほどバリエーション豊富で、葉も明るいグリーンから銅、茶色まで色幅があります。原産地は夏は涼しく冬は温暖なメキシコ、グアテマラの高原地帯原産で、春から夏に雨が多く冬は乾季となる地域なので、日本では夏は花が咲きにくく秋に多く咲きます。3m以上になる皇帝ダリアは地植えでしか育てられませんが、1mほどになる巨大輪や一年草のようにタネから育つミニタイプなど植木鉢の大きさに合わせて品種選びができます。

植木鉢で育てるときのポイント

夏の高温を避けるため、鉢植えは日陰へ移動させるか日よけをしておくと安心です。生育中は水切れしないよう十分与えます。蕾が見えてから開花中は、とくに乾燥に注意しましょう。5号鉢に1球、大輪系は8~10号鉢に1球が目安です。球根は房状になっていますが一本ずつ切り離されて売られている場合は、切り口を上にして植えつけます。新芽がわかりにくいので、育苗用のポリポットなどで一度芽出ししてから植えつけると確実です。分球する場合は、クラウンとよばれる茎の部分を必ずつけて2~3個のイモをつけて植えつけましょう。

植えつけ:3月~5月
花期:5月~10月

5.アマリリス(ヒガンバナ科)

高さは30~40㎝ですが、高さの割に大きな花が咲くのでとても見栄えがします。肉厚の葉の中央からすっと立ち上がる太い花軸に巨大な花を3~4輪も咲かせ豪華で、ヨーロッパではクリスマスに欠かせない花として年末に多く出回ります。日本で球根が出回るのは2月~3月、鉢植えで育てれば1ヶ月半~2ヶ月後に花が咲きます。花後に忘れず肥料を与えると、翌年にも大輪を咲かせます。花後は花軸を残して花を摘みましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

植えつけ直後に球根の周囲から注ぎ込むようにたっぷりと水やりしたら、芽や根が伸びはじめるまで水を与えないのが鉄則です。新芽が動き出したら表面が乾いたら与えます。10月頃からは水を断って、春まで鉢のまま乾燥状態で休眠させます。5号鉢に1球が目安です。頂部が完全に見えるように植えつけます。

植えつけ:4月
花期:5月~7月

6.ゼフィランサス

雨が上がって晴れたとたんに一斉に咲き始めるので”レインリリー”ともよばれています。秋に農家の庭先に咲く白いタマスダレ(ゼフィランサス・カンディダ)が有名ですが、ピンク、赤、黄色の花を20~30㎝と低い目線に一斉に咲かせる姿は庭に爽やかな印象をもたらしてくれます。テラスまわりやアプローチに列植したい球根ですが、冬でも葉が残るので植木鉢でも十分楽しめます。上を向いて咲くのがゼフィランサス、横を向いて咲くのがハブランサスと大まかに区別できます。

植木鉢で育てるときのポイント

日本でも古くから栽培されている白花のタマスダレ(カンディダ)、ピンク花のサフランモドキ(グランディフローラ)は寒さに強いので植えっぱなしにできます。5号鉢に5~10球が目安です。深さは2㎝程度、球根の首が少し見える程度に覆土します。

植えつけ:4月~5月
花期:品種によって大きく異なります(春夏に開花する種類もあり)。タマスダレは9月~11月

おすすめの夏植え球根

すぐに花が見られる

夏に植えるとその秋には花が咲く、開花までのサイクルが極端に短いのが特徴です。主に南アフリカのケープ地方を原産地とする球根植物で、この地域は四季を通して温暖な気候なので球根も強い寒さや極端な高温には耐えられず、日本では暑さがおさまってくる8月の終わりから9月中旬頃に植えて、秋から翌春にかけて花を楽しみます。リコリスはアジア原産で南アフリカ原産のネリネやオキザリスとは少し性質が異なりますが、やはり6月~9月が植え時になるため夏植え球根になります。日本ではネリネ、リコリス、コルチカムの中でもとくに耐寒性が強く、植えっぱなしでも育つ強い種類が広がったといえます。

1.リコリス

花の時期には葉がないので”マジックリリー”ともよばれています。スーッとまっすぐに立ち上がるストロー状の茎の先に、カールした長いおしべをもつ綺麗な花を咲かせます。雑草が生えているような日当たりのよい場所であれば育つほど丈夫な植物で、毎年どんどん増えていきます。日本ではちょうど彼岸の頃に土手や畔を真っ赤に染めるヒガンバナを思い浮かべますが欧米ではとても人気のある球根植物で、黄色やピンク、青に変化するものなど洗練された花色の品種が増えています。日本の気候にもよく合い、一度根づけば放任で何年も楽しめます。葉は花後に出て枯れ、姿を消す5~7月が休眠期で、この時期が植えつけの適期になります。

植木鉢で育てるときのポイント

群れて咲く姿が持ち味なので、同じ品種を植えつけます。リコリスは植えっぱなしの方が開花がよくなります。庭植えでは4~5年、鉢植えも2~3年は植えっぱなしにして、球根が増えすぎて地表に浮き出してくるまではそのまま育てましょう。地上部がない時期も根は生長を続けています。鉢栽培では乾燥しすぎないように注意しましょう。5~6号鉢に3球が目安。鉢植えでは球根の頭が隠れる程度の浅植えにします。

植えつけ:6月~8月
花期:8月~10月

2.コルチカム

花がサフランに似ているけど違う(偽物)という意味で”犬サフラン”ともよばれています。ユニークな形をした大きな球茎は、土に植えなくても水を与えなくても開花するので、コップやバスケットなどさまざまな容器を使ったテーブルフラワーとしても人気です。年が明けて忘れた頃から新芽が伸び出し、大きな艶のある葉が黄色くなるまで盛んに光合成をして開花に備えます。花の咲く時期で春咲き・秋咲き・冬咲きの3タイプに分けられますが、日本で広く親しまれているのは主に秋咲き系です。

植木鉢で育てるときのポイント

成長期には十分な水分が必要なので、土なし栽培で楽しんだ球根は早めに土に植えて葉を出させ球根を太らせましょう。高温多湿を嫌うので、できるだけ水はけのよい用土に植えましょう。花が咲き終わるまではさほど根が伸びないので、表土が完全に乾いてから水やりします。葉が茂る3月~5月は乾燥させないよう注意しましょう。4号~5号鉢に1球が目安です。球根の先端が地表すれすれの位置にくるよう浅植えにします。直径は10cmほどの大きな球根ですが、通常は5cm以上あれば開花します。

植えつけ:8月~9月(遅くとも10月までに)
花期:9月~10月

3.オキザリス

カタバミの仲間で800~850種もあり花色も豊富です。花の少ない季節をパステルカラーの花とクローバーのような葉が可愛く彩ってくれます。草丈が低く株も広がるため、寄せ植えやハンギングバスケットにも活躍します。自然に分球してどんどん増えていく丈夫な球根で、数年間は植えっぱなしでも大丈夫。晩秋から春まで花を長く咲かせる品種が多いですが、秋や春だけ咲く品種もあるので、品種選びの時にはチェックしましょう。

植木鉢で育てるときのポイント

光が当たらないと花が閉じてしまうので、日の当たる場所で育てます。凍らない場所であれば屋外でも越冬します。気温が上がってくる初夏になって葉が黄色く枯れはじめたら雨の当たらない場所で水を切って鉢のまま休眠させましょう。乾燥に強く、めったなことでは枯れませんが、生育期、開花期には、極端に乾かさないよう注意ましょう。3~4号鉢に3~4球が目安です。1球だけではボリュームが出ないので、まとめ植えしましょう。プランターが込み合ってきたら球根を3~4球ほどのかたまりに分けて、それぞれを植えつけましょう。

植えつけ:7月末~9月
花期:10月~5月

球根におすすめの植木鉢とは

息をする鉢、素焼きのポットで
記事でもお伝えしましたが、球根はとくに生まれ育った故郷を忘れない植物で、温度、湿度といった環境が故郷と同じと感じれば休眠や生長を自身でコントロールすることができます。地植えしているスイセンが極端に冷える秋を経験するとポカポカした12月に葉を出して花まで咲いてしまうように、眠りから覚める合図があれば、いつでも芽を出す準備ができているのです。
球根の植木鉢を選ぶときには、この環境を感じやすい素材がおすすめです。
暑くて乾いた時期を耐えて過ごす「秋植え球根」、寒さに弱い「春植え球根」、極端な暑さ寒さを嫌う「夏植え球根」ともに、ウトウトと休眠しているときをいかに上手に乗り切るかがポイントです。
素焼き鉢(テラコッタ)は、素材自体が多孔質なため通気性がよいので透水性の良さを好む植物に向いているだけでなく、水分が蒸発するときの気化熱によって鉢内の温度が下がることで、暑さに弱い植物にも利用しやすいといえます。
鉢栽培では、容器に入っていることで暑過ぎや寒過ぎにならないように植木鉢を移動して環境を緩やかにすることも可能で、本来ならば掘り上げて管理しなければならない球根も植えっぱなしで管理することもできます。掘り上げた球根を乾燥しすぎないように管理することは結構難しいこと。土の中に納まっていることで、温度や湿度の変化が少なくてすむことは管理する上でも好都合です。
球根植物のもつ素朴さと温かみはテラコッタの素材感にもぴったり。同じテラコッタでも濃淡や色味には幅があるので、花色や雰囲気に合わせて選ぶことができます。
また、小型の球根は小さめの鉢に浅植えしたミニづくりやガラスの透明感をいかした水耕栽培もおすすめです。ゆっくり長く楽しむためには、なるべく涼しい場所で管理しましょう。

おすすめの植木鉢

バブルベイス
ぽってりしたフォルムがやさしい印象の水耕栽培用のベイスです。リサイクルガラスのような深みのあるカラーがおしゃれです。

チュニジアポット ミニ
土に含まれた塩分によって、今までになかったピンクがかった白色のテラコッタポット。コロッとしたフォルムが可愛さ満点です。ちょっとしたプレゼントにも。

イタリアンテラコッタ ヴァッソ アリーナ
きめ細かい土を使ったシンプルデザインのポットで、どんな植物にも合わせやすいやさしいカラーが魅力です。口径が広いので植物がゆったりと見えるだけでなく、植えやすさも◎です。

トゥーリア15ホワイト釉 受け皿付き
(理由など)
洋風にも和風にも合わせやすい、ハンドメイドの趣豊かなポットです。受け皿もジャストサイズ、すっきりとしたキレイめデザインです。

シリンダーガラスポット
土と鉢のコントラストがきれいなガラスポットです。打ち出し加工のようなメタリックカラーがとても上品です。

球根スコップ
球根を植えるときに力を発揮する英国ガーデナー御用達のツールです。お隣の植物を痛めないように最小限の植え付け穴が掘れる便利なスコップです。